「産業医を選任する必要があるけれど、どこで探せばよいのか分からない」
「久留米市や福岡市で産業医を探す場合、医師会、紹介会社、直接契約のどれがよいのでしょうか」
初めて産業医を選任する企業でも、現在の契約を見直したい企業でも、探し方に迷うことは少なくありません。産業医を探す方法は一つではありません。地域の相談窓口、紹介会社、地域の産業医や産業医事務所への直接相談など、複数の方法があります。
この記事では、久留米市、福岡市、佐賀県、熊本県、大分県周辺で産業医を探す企業向けに、探し方の選択肢、契約前に確認したいこと、相談から依頼までの流れを整理します。
産業医を探す方法は
大きく4つあります
実務でよく使われる探し方は、次の4つです。どれか一つに決める必要はなく、会社の状況に応じて組み合わせることもあります。
1.地域の医師会などに相談する
地域によっては、医師会などを通じて産業医に関する情報を得られる場合があります。地域に根ざした医師を探したい企業にとっては、一つの選択肢になります。
ただし、紹介の方法、対応できる範囲、費用などは地域によって異なります。利用を検討する場合は、所在地の医師会へ個別に確認してください。
2.地域産業保健センターなどに相談する
地域産業保健センターは、主として産業医の選任義務がない労働者50人未満の小規模事業場を対象に、産業保健支援を行う窓口です。健康診断後の医師の意見聴取、長時間労働者への面接指導、健康相談などに対応しています。
厚生労働省も、産業保健総合支援センターや地域産業保健センターを、地域の産業保健サービス提供機関として案内しています。50人未満の事業場が、まず相談する窓口として使いやすい制度です。
一方で、継続的な顧問産業医を必ず紹介してくれる機関、という意味ではありません。利用回数や受付状況には地域差があるため、所在地を担当する窓口へ確認してください。50人未満の事業場の相談先については、産業医がいない会社の健康診断後の就業判定でも整理しています。
3.産業医紹介会社を利用する
産業医紹介会社は、医師の探索から契約まわりまでをまとめて相談できる方法です。次のような利点があります。
- 自社で一人ひとり医師を探す手間が少ない
- 全国対応しやすい
- 複数事業場をまとめて管理しやすい
- 産業医の欠員や交代時にも相談先を確保しやすい
- 契約、請求、日程調整などの事務を任せやすい
大規模な企業、全国に複数拠点を持つ企業、産業医を短期間で探したい企業には、紹介会社が適している場合があります。
4.地域の産業医・産業医事務所へ直接依頼する
地域の産業医や産業医事務所へ、直接相談して契約する方法もあります。特徴としては、次のような点があります。
- 実際に担当する医師が分かりやすい
- 産業医本人と直接相談しやすい
- 訪問頻度や業務範囲について相談しやすい
- 企業と産業医が直接関係を構築できる
- 同じ医師が継続して担当する体制を作りやすい場合がある
ただし、直接契約なら必ず安い、必ず同じ医師が担当し続ける、という意味ではありません。対応できる地域や業務範囲は事務所によって異なるため、契約前に確認することが大切です。
紹介会社を利用する場合の
費用構造
紹介会社を利用する場合、企業が支払う金額には、産業医本人への報酬だけでなく、次のような費用が含まれることがあります。
- 医師の紹介・マッチング
- 契約管理
- 請求業務
- 日程調整
- 相談窓口
- 医師交代時の対応
そのため、企業が支払う総額と、実際に産業医本人へ支払われる報酬は、一致しない場合があります。
紹介会社によって料金体系はかなり異なります。公開情報でも、紹介手数料と月額費用を分ける仕組み、月額費用のみの仕組み、月額費用に事務サポートを含む仕組みなど、複数の形があります。
直接契約では
「産業医本人との距離」が
近くなります
通常の定期訪問だけであれば、紹介会社を介することが大きな問題にならないケースもあります。違いが出やすいのは、予定外の相談が必要になったときです。
たとえば、急にメンタルヘルス不調者が出た、復職診断書が提出された、健康診断結果について就業判定を急ぎたい、臨時面談をお願いしたい、予定外の現場確認を依頼したい、といった場面です。
紹介会社経由の契約では、契約形態によって、企業から紹介会社へ連絡し、そこから担当産業医へつながる場合があります。窓口が一本化される、という利点でもあります。一方、急ぎの相談では、一段階増えることを手間に感じる企業もあります。
私が訪問した企業でも、「担当産業医と直接やり取りできた方が相談しやすい」という趣旨の声を聞いたことがあります。これは、ある企業で実際に聞いた声であり、すべての契約に当てはまる話ではありません。ただ、予定外の相談が多い職場では、連絡経路を事前に確認しておく意味があります。
直接産業医へ相談できることは、
長期的なメリットになることがあります
産業医事務所との直接契約では、企業担当者から担当産業医へ、直接メールや電話で相談できる体制を作りやすいです。
たとえば、「これは産業医面談をした方がよいですか」「主治医の診断書が出ましたが、次に何を準備すればよいでしょうか」「この健診結果は就業上の配慮が必要でしょうか」といった、正式な面談依頼になる前の段階でも相談しやすくなります。
産業保健では、問題が完全に整理されてから相談が来るとは限りません。むしろ、「まだ面談を依頼するほどか分からない」という段階で相談できることに、価値がある場合があります。オンライン産業医面談を組み合わせると、急ぎの相談にも対応しやすくなることがあります。
直接契約は、長期的な関係を
作りやすい場合があります
直接契約では、企業から支払われる契約料が、産業医事務所のサービス提供に直接結びつきます。紹介会社を介した契約では、産業医報酬とは別に、紹介・管理等の費用が含まれる場合があります。
そのため、直接契約では、企業と産業医事務所が、サービス内容、価格、対応範囲を直接相談できる、という特徴があります。産業医事務所側としても、長期的に職場を理解し、改善の経過を追いながら関係を構築しやすい面があります。
ただし、直接契約なら産業医は交代しない、紹介会社経由は交代しやすい、という意味ではありません。契約形態にかかわらず、担当医が交代することはあります。同じ産業医が継続して担当することを重視する企業は、契約前に担当変更の可能性や仕組みを確認しておくとよいでしょう。
担当する産業医の経験も
確認しておきましょう
産業医資格を取得したばかりの医師でも、適切に業務を行える場合はあります。そのうえで、企業側の課題に応じて、担当産業医の経験を確認する価値はあります。
確認しておきたい例は、次のような点です。
- 産業医としての実務経験
- 製造業の職場巡視経験
- メンタルヘルス面談
- 休職・復職支援
- 健康診断後の就業判定
- 長時間労働者面談
- 化学物質管理
- 作業環境管理
紹介会社を利用する場合でも、直接契約でも、「誰が担当するのか」「担当医にどのような実務経験があるのか」を確認することが大切です。探し方の違いよりも、実際に来る医師の経験と、自社の課題が合うかどうかが、契約後の満足度に影響しやすいです。
産業医を選ぶときに
確認しておきたい5つのこと
契約前に、次の5つを確認しておくと、契約後の食い違いを減らしやすくなります。
1.訪問頻度
毎月か、2か月に1回か、臨時訪問が可能か。衛生委員会、職場巡視、面談をどう組み合わせるかを確認してください。頻度は、事業場のリスクや管理状況によっても変わります。
2.対応範囲
職場巡視、衛生委員会、健康診断後の就業判定、長時間労働者面談、高ストレス者面談、休復職支援、メンタルヘルス相談、意見書、メール相談など、どこまで含まれるかを確認します。健康診断後の就業判定だけを依頼したい場合と、巡視から面談まで一括でお願いしたい場合では、必要な契約内容が異なります。
3.連絡の取りやすさ
産業医契約では、かなり重視してよい項目です。担当産業医へ直接メールできるか、急ぎの相談は誰に連絡するのか、臨時面談の依頼方法、追加訪問の手続、返信の目安を確認してください。
定期訪問の日程だけでなく、「困ったときにどう動けるか」が、実際の運用では効いてきます。
4.専門領域・経験
自社の課題に合っているかを見ます。製造業なら、化学物質、騒音、粉じん、暑熱、作業環境など。オフィス中心なら、メンタルヘルス、休復職、長時間労働などが中心になりやすいです。
5.費用の内訳
月額料金だけで比較しないことが大切です。定期訪問、面談、健診判定、意見書、メール相談、追加訪問、交通費、臨時対応が、月額に含まれるのか、別料金なのかを確認してください。
「月額いくら」だけではなく、「何が含まれているか」を比較すると、自社に合う契約を選びやすくなります。
紹介会社と直接契約、
どちらが向いている?
探し方の違いを、次のように整理できます。
| 項目 | 紹介会社 | 直接依頼 |
|---|---|---|
| 医師を探す手間 | 少ない | 自社で探す必要あり |
| 全国・多拠点対応 | 得意な場合が多い | 対応地域による |
| 契約管理 | 任せやすい | 直接管理 |
| 連絡窓口 | 紹介会社を介する場合あり | 担当医へ直接相談しやすい |
| 担当医 | 候補を紹介・配置 | 医師を確認して依頼しやすい |
| 臨時対応 | 契約内容による | 直接調整しやすい場合あり |
| 継続性 | サービス・担当医による | 同じ医師との関係を作りやすい場合あり |
どちらかが一律に優れているわけではありません。
全国の多数拠点を一括管理したいなら、紹介会社が便利な場合があります。一方、地域内の事業場で、同じ医師に継続して見てもらいたい、担当医へ直接相談したい、臨時相談のスピード感を重視したい場合は、地域の産業医事務所への直接依頼も選択肢になります。
久留米市・福岡市・佐賀県・
熊本県・大分県でのご相談
くるめ産業医事務所は、久留米市を拠点に、福岡市を含む福岡県内、佐賀県、熊本県、大分県の一部へ訪問対応しています。大分県では、たとえば日田市など、距離や訪問内容に応じてご相談いただけます。
県内全域を、どこでも無条件で訪問できる、という意味ではありません。距離、訪問頻度、業務内容によって対応可否は変わります。詳細は対応エリアをご確認のうえ、個別にご相談ください。
ご相談から依頼までの流れ
当事務所へ直接ご相談いただく場合の流れは、おおむね次のとおりです。
- お問い合わせ
- 事業場の状況を確認
- 必要な業務・訪問頻度を整理
- 見積り・契約内容の確認
- 契約
- 初回訪問
お問い合わせ時にあるとよい情報は、所在地、従業員数、業種、現在の産業医の有無、希望する訪問頻度、希望する業務、困っていることです。すべてがそろっていなくても構いません。初めての産業医選任でも、お問い合わせからご相談いただけます。
まとめ|探し方だけでなく、
契約後の担当と連絡方法を見る
産業医の探し方には、地域の相談窓口、紹介会社、地域の産業医事務所への直接依頼など、複数の方法があります。会社の規模、事業場数、必要な業務によって、適した探し方は変わります。
大切なのは、「どこから紹介されたか」だけではなく、「契約後、誰が担当するのか」「どこまで対応してもらえるのか」「困ったときにどう連絡するのか」まで確認することです。
産業医を探す段階では、「どこに依頼するか」だけでなく、「誰に、何を、どのようにお願いしたいのか」まで整理しておくことで、契約後のミスマッチを減らしやすくなります。
参考資料
- 厚生労働省「労働者数50人未満の小規模事業者の方」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70761.html - 独立行政法人労働者健康安全機構「地域窓口(地域産業保健センター)」
https://www.johas.go.jp/occ-health/regional-occ-health-centers/





