2026年7月23日、北九州市で開催された、産業医の職場巡視に関する研修会に参加しました。
今回の研修では、職場巡視の目的や法的な位置づけ、現場で確認すべきポイントについて、実際の事例を交えながら学びました。
職場巡視の目的
職場巡視は、単に事業場の中を見て回るだけではありません。
実際の作業環境や働き方を確認し、労働災害や健康障害につながる可能性のある問題を早めに見つけ、改善につなげていくための重要な産業医活動です。
研修では、通路上の段差や障害物、機械への巻き込まれ、墜落・転落の危険、騒音、照明、温度・湿度、化学物質の管理、保護具の使用状況など、多くの確認ポイントが紹介されました。
「設置されている」だけでは不十分
中でも印象に残ったのは、設備が「設置されているか」だけでなく、実際に使える状態になっているかまで確認することの大切さです。
例えば、スポットクーラーが置かれていても、作業者に十分な冷風が届いていなければ、熱中症対策としては不十分です。
また、緊急用の洗眼設備や消火器も、周囲に物が置かれていたり、点検がされていなかったりすれば、必要なときに使用できません。
夏場の職場巡視で確認すること
特に夏場の職場巡視では、気温や湿度だけでなく、風通し、輻射熱、休憩場所、水分・塩分補給の環境などを総合的に確認する必要があります。
設備の有無だけを見るのではなく、実際に働いている方にとって十分な対策になっているかという視点が重要だと感じました。
巡視後の改善確認までが大切
職場巡視は、問題点を指摘して終わりではありません。
巡視結果を報告書に残し、衛生委員会などで共有し、改善後の状況を次回の巡視で確認することが重要です。
写真を活用して改善前と改善後を比較する方法や、問題点だけでなく、現場で行われている良い取り組みを共有することも、職場全体の安全衛生の向上につながると感じました。
研修を終えて
今回の研修を通して、産業医として現場を自分の目で確認し、そこで働く方々の話を聞くことの重要性を改めて学びました。
くるめ産業医事務所では、今回学んだ内容を今後の職場巡視に生かし、それぞれの職場の実情に合った、安全で働きやすい環境づくりを支援してまいります。

